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第1回 ステークホルダー・ダイアログ

第1回 住友電工グループ ステークホルダー・ダイアログ

2010年7月、住友電工グループとして初めてのステークホルダー・ダイアログを開催しました。
今回は横浜製作所において地域のステークホルダーの皆さまとともに環境保全の取り組みにおける当社グループと地域社会との関わりについて意見交換を行いました。

意見交換の様子

開催にあたって

ステークホルダー・ダイアログとは、様々な分野のステークホルダーの皆さまから、住友電工グループに対するご意見をうかがうことを目的とした意見交換会です。第1回となる今回は、来年開所50周年を迎える横浜製作所において、日頃からお世話になっている地域のステークホルダーの皆さまにお集まりいただき、環境保全の取り組みにおける企業と地域社会との関わりについて意見交換を行いました。今回ステークホルダーの皆さまよりいただいたご意見は、住友電工グループの環境保全活動の改善へとつなげていきたいと考えております。

開催概要

開催日:
2010年7月6日(火)

場 所:
住友電気工業(株)東京本社

(左から)上妻 義直様 荒木 葉子様 光田 清隆様 磯崎 保和様
(左から)
上妻 義直様 荒木 葉子様
光田 清隆様 磯﨑 保和様
ご参加いただいたメンバー(50音順):
荒木 葉子 様(横浜市立千秀小学校校長)
磯﨑 保和 様(栄区豊田連合町内会自治会会長栄区田谷町内会会長)
上妻 義直 様(上智大学教授)
光田 清隆 様(横浜市栄区長)

ファシリテーター:
福島 隆史 様(株式会社サステナビリティ会計事務所 代表取締役)
開澤 裕美 様(株式会社サステナビリティ会計事務所)

住友電工出席者:
 
野田 茂(常務取締役)
安全環境部
松友 俊雄(主幹)
横浜製作所
柳田 伸也(横浜製作所長)
松尾 紀吉(安全環境グループ長)
伊藤 茂(安全環境グループ主席)
人事総務部
得田 和徳(次長)
吉田 竜郎(主席)
三橋 一勝(主査)

スケジュール

会社概況のご説明→工場見学→住友電工グループの環境保全の取り組みについてのご説明→意見交換→総括と閉会のご挨拶

意見交換

テーマ:環境保全の取り組みにおける企業と地域社会との関わり

福島:

住友電工グループ全体の環境への取り組み、および横浜製作所における環境への取り組みについてご感想やご意見をお聞かせ下さい。


横浜製作所における環境への取り組み

磯﨑:

地元住民として3点ご質問させて下さい。過去、横浜製作所では土壌汚染問題がありました。現在、汚染はないのでしょうか。次に物流の問題。以前は朝5時半ごろからトラックが門の前に、ずっと長い列を作っていましたね。エンジンの騒音がクレームになったこともあります。最近では見かけませんが、その背景を。もう一つは、24時間操業を今でもされていると思いますが、騒音対策はどうなっていますか。

磯崎

松尾:

土壌汚染は、2001年の公表後、継続して揚水浄化を行っており、電力ケーブル工場跡地についてはすべて対策を完了しました。通信ケーブル工場については、現在も揚水浄化を継続しています。敷地外に影響が出ていないことは、当時のご説明から変わっておりません。

松尾

柳田:

物流について、トラックの列がなくなった背景として、大型のものを扱っていた工場を閉鎖したことが大きいと思います。また、早朝の騒音について業者への指導も行いました。24時間操業は今でも行っていますが、騒音については、法令や条例よりも厳しい自主基準値を設けて、その範囲内に収めています。今後も引き続き努力したいと思っています。


科学教育や環境運動を通じた地域交流

荒木:

私は千秀小学校に赴任した際、学校の始業式より先に、4月最初の日曜に開催された横浜製作所の稲荷祭で子供たちに触れ合うことができました。地域に開かれた企業なのだな、という印象が残っています。栄区の中に小学校が14校ありますが、その中でも本校は一番学区が広いのです。その中で4分の1の面積を占めるのが住友電工さんなのです。学校の子供たちは、工場を塀の外から見て「ここは何だろう」と思っています。ここが最先端技術で光ケーブルなどを製造している工場であることを、もっと地域に伝えていただければと思います。
また出前授業に来ていただくことは子供たちの理科離れストップに大変に効果があるものと思っています。とても興味深く、分かりやすく授業をしてくださり、これが糸口となり、さらに工場見学を、という話も出ています。

荒木

柳田:

工場見学については今後とも広くお引き受けしていきたいと思っています。今そのPRとともに敷地内の工場見学ルートなどの整備を行っています。
出前授業につきましては、私たちにとっても将来の技術者の育成は大変重要なことと考えています。理科の好きな生徒さんが一人でも増えるように、少しでも分かりやすくご説明できるように、実験キットなどをこれからも改良していきたいと思っています。

柳田

光田:

昨年、栄区にも「CO-DO30推進協議会」ができました。「CO-DO(行動)30」というのは、2004年に比べて横浜市全体で2025年までに一人当たりの温室効果ガスを30%削減しようという運動です。その一環で一昨年、住友電工さんに従業員の皆さんの環境家計簿の取り組みについて発表をお願いしました。非常にいい例だということで、それを契機に栄区桂公田町会・犬山町会・上之町内会でも環境家計簿をやることになりました。
また、ハマロードサポーターという制度。製作所周辺や大船駅までの5kmぐらいの公道の美化清掃を、工場の職員の皆さんにやっていただいています。これは、地域の皆さんの自分たちも何かやらなければいけない、という意識の向上にもつながっています。

光田

福島:

住友電工グループは、グローバルで15万人を擁する、いわば一つのコミュニティですよね。そのなかで活動されている内容というのは、ビジネスプロセス以外は十分に自治体のような組織でも共通化できるようなことが多いような気がします。

福島

光田:

住友電工で取り組まれているのは3R(リデュース、リユース、リサイクル)ではなくて5R(3R+リフューズ、リターン)ですから。色々な意味で進んでいますね。


磯﨑:

私たちも各町内会の自治会の方々と一緒に5月に工場見学をさせていただきました。各町内会とも、これからも継続してほしいという意見が多かったようです。横浜製作所の夏祭りや創業祭(注:稲荷祭のこと)にお招きいただいたり、また私たちの盆踊り大会、芋煮会などにも来ていただいて、交流を深めております。


柳田:

先ほどCO-DO30の話がありましたが、一人30%削減というのは、私たちが取り組んでいる環境家計簿の活動と相通ずるところがあると思っております。今、企業から出るCO₂よりも家庭から出るCO₂の増加の方が大きな問題だと言われています。それに対して、企業もどれだけ貢献できるかが課題です。それから、ハマロードサポーターの件では、私たちも清掃活動をしていると、ご近所の方から「ありがとう」とお声を掛けていただくことがあって、大変励みになっています。塀に囲まれた私たちは、地域の方から見ると一体何をやっているのだろうと思われるのは当然です。この中でどういうことをしているのか、環境や安全管理はどうなっているのかということを、地域の方々に見ていただき、さらに開かれた製作所にしていきたいと思っております。


住友電工の今後の環境マネジメントについて

上妻:

私は御社の全体的なCSRマネジメントを見させていただいています。環境マネジメントに関しては非常に厳しい水準、現在の取り組みの枠組みのなかではこれ以上はできないというハイレベルでおやりになっていると思います。
ただ、世界的に見ますと、環境マネジメントの切り口が変わって来ています。また温室効果ガスだけではなくて、水などの資源を含めた総合的な資源管理を企業の責任範囲とする、という考えも生まれています。そうなれば今後、環境マネジメントの方針自体も変えていかなければいけないと思うのですが、いかがでしょうか。

上妻

松友:

温室効果ガスについては製品が市場でお客さまに使われるときに、どれだけCO₂の削減に貢献したかというデータを、各部門からノミネートして、その削減量を把握し、公開することを検討しています。より多く削減した部門に対しては何らかのインセンティブを与えるということも考えています。
また私たちは、水も一つのエネルギーだととらえています。水を削減することは、資源の保護にもなり、エネルギー費用の削減にもつながります。それはエネルギーと同じ水準で考えて、積極的に取り組んでいきたいと考えています。

松友

磯﨑:

非常に素晴らしい取り組みだと思います。昨今、自治会も環境づくりについては力を入れて来ました。しかし、今日のお話を聞きますと、まだまだ駄目だという気がします。今後も町内会・自治会のお手本になっていただきたいと思います。


荒木:

家庭での省エネにまで踏み込んでいるというのはすごいと思います。家庭からのCO₂が多いのだとしたら、もっと私たちも児童から家庭へということもやっていかなければいけないと感じました。


光田:

環境だ、CO₂だというと、つかみどころがないですね。ですが、こういう取り組みをしている、こういう成果が出ているということを具体的に言っていただくと、非常にヒントになります。以前、住友電工の方に環境家計簿のつけ方までレクチャーしていただき、「やってみよう」という気になりました。しかも環境家計簿の取り組みは日本の企業のなかでも2位くらいに位置しているというお話。栄区の企業がそういった分野でトップクラスということは私たちにとっても誇りに思います。


野田:

本日は大変お忙しいなか、私たちの第1回ステークホルダー・ダイアログにご参加いただきまして、どうもありがとうございます。来年でこの横浜製作所が50周年を迎えます。今後も、ぜひ地域の活動に一緒に参加させていただいて、交流を深め、ここで育てていただきました地域の皆さまにご恩返しできればと思っています。
また環境マネジメントという面では、世界規模で事業展開をしていく上で、どうしてもグローバルな対応をせざるを得ません。今それを着々とやっているつもりですが、ますます厳しくなっていく規制に、どう対応していくかという議論を重ねている最中です。当社グループは、S(安全)、E(環境)、Q(品質)、C(コスト)、D(物流・納期)、D(研究開発)のレベルをあげ、体質を強化することを目指しています。環境については私たちも非常に重要な課題と位置づけており、グループ全体で積極的に取り組んでいきたいと考えております。今後とも色々とご指導、ご鞭撻をよろしくお願いいたします。

野田

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